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寸止めでごめんなさい。
「優しい時間」の直後の話。

時系列的には
白い世界の片隅で →(数年後)→ 優しい時間 → (直後) → 同じ時間の始まりに
という順番です。

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『シュヴァリエになったら、続きをしましょう?』
 いつ、約束したのか。どういう状況でそんな話になったのか。よく、覚えていない。ただ、その約束をしたことだけは、はっきりと覚えている。
 約束してから、何百回も、日が沈んで、昇ったことも。
 それは、ソロモンが自分自身を戒める言葉のようだった。
 …そんな風に、抑さえ込まなくいい、と言ってやれるような経験もなくて、ただ相手の方針に従うことしか出来なかった。



同じ時間の始まりに



 頬を包む暖かな手と、口内に入り込んでくる舌。
 もっと触れたい、と思って手を伸ばそうにも、指先をぴくりと動かすこともできず、ただ、入り込んできた相手の舌の求めに、必死に応える。絡みついてくる舌に軽く歯をたて、吸い上げられて。
 息継ぎのために放された舌の間に、名残惜しそうに唾液がつながって、ぷつりと切れた。
 碧の双眸を見やれば、それはどこか苦しげに細められていて、その奥で何かと葛藤しているのが、カールには簡単に読み取れた。

「…ソロモン…?」

 ソロモンはそれには答えずに、カールの頬にやっていた手を顎へと滑らせる。素直に瞳を閉じれば、すぐに唇の上に暖かいものを感じた。最初の優しい啄ばみはほんの短い間だけで、相手は飢えたように舌を差し入れてくる。
 ほんの少しでも逃げようとすれば、それだけでこちらにふれる手に力が入って、容赦なく絡めとられてしまう。
 うっすらと瞳を開けると、切羽つまったような碧の瞳と、視線が合う。

「…カール」
 ふ  れ  た  い。

 熱に掠れた声で名前を呼ばれて、身体がざわつき、細い指先が首筋を滑っていくだけで、その場所から切ない叫びがあがる。泣き出したくなるぐらいに、相手の熱を求めているのに、ほんの少しだけお互いの間に空いた距離が、それを阻んでいた。
 身体が動くなら、強引にでも抱き寄せてしまいたかった。
 しかし、頼みの腕はまるで自分のものではないかのように、全く動かない。
 他に、誘い方なんて知らない。できない。

 細められた碧眼の中に映る自分は、一体どんな顔をしているのだろうと思いながら、ただソロモンの言葉を待つことしかできなかった。
 ソロモンはカールの顎あたりをゆっくり撫でてから、
「……まだ、目覚めたばかりですからね」
 ソロモン自身を納得させるように言った。
「…おい…」
「無理させては、いけませんよね」
 カールが呪詛を含めたような声で言ったのを、ソロモンは華麗に無視して(あるいは本当に聞こえていなかったのか)一人で頷いた。
「…あっ…」
 自分の肌から離れていく手。
 カールは思わず、
「ソロ…モ…っ!」
 今にも泣きそうな声で言った。
「…カール??」
 言われたソロモンは驚愕に目を見開いて、言った本人も自分のあまりに情けない声に驚いた。
「…どれだけ…待っていたと思っている…!」
 ソロモンにとっては短い時間だったかもしれないけれど。
「約束しただろう…っ!!」
 怒鳴った瞬間、右腕がびくりと震えた。異常に重いそれは、カールの意志に従って動き、ベッドの上から浮き上がって、ソロモンの背中の上にまわされる。
 ずり落ちないように、ソロモンの背中に爪を立てて、
「もっと…そばに…来い…っ」
 ようやく、蚊の鳴くような声で言った時には、カールはソロモンと目を合わせまいと、必死に目を横に反らしていた。くす、と相手が笑ったのが雰囲気でわかって、カールは笑うな、と目を反らしたまま言った。
「…本当は、安静にしてないといけないんですけどね」
『でも僕も、考えていることは同じですから』
 頭の中に響いた声にカールは目を見開いて、ソロモンの瞳を見た。
 ああ、たしか、声を使わなくても会話できるんだったな、と今更思い出す。
「少しだけ、ほんの少しだけ我慢した方がいいかな、と思っただけなんです」
『あなたが動けるようになるまで』
 嬉しそうに言いながら、ソロモンはカールの頬を包み込んだ。
「…これから、同じ時間を、ずっと一緒に生きられるんですから」
 …ね?と言って頬を撫でる。
「…我慢、できませんか?」
 静かに訊いてくるソロモンに、
「お前はどうなんだ?」
 カールは噛み付くように訊き返した。
「……できません」
 ソロモンは深刻そうな顔で言って、カールのシャツのボタンを外し始めた。



END…………?



初めてのツンデレちゃんに誘わせるのは酷だと思います。

描写力が追いつきませんねぇ…(悩)。

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2006/06/23
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